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2020年

家賃収入にかかる税金とは?対象と計算方法2020.12.20

家賃収入にかかる税金とは?対象と計算方法

家賃収入と税金

不動産投資を始めようとする人にとって、家賃収入や税金は非常に気になるところです。しかし、確定申告はサラリーマンにとってなじみが薄く、税金に対する知識に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。不動産投資をするなら家賃にかかる税金の知識をしっかりと学んでおくことが必要です。ここでは、アパート経営に必要となる、家賃収入にかかる税金の種類と所得税の計算について解説します。



家賃収入にかかる税金

税金の種類

最初に、家賃収入にかかる税金の種類を見ていきましょう。



・所得税

不動産を取得し、その物件からの家賃収入を得て黒字になると所得税がかかります。



・住民税

住民税は、都道府県民税と市町村民税(東京23区は特別区民税)の総称をいい、地方税の一つです。所得税と同じく、収入をもとに計算され支払うことになります。



・消費税

個人事業者の場合、課税売上高が1,000万円を超えた場合に、原則その翌々年から消費税が課税されます。しかし、事業用賃貸物件と居住用賃貸物件では取り扱いが異なります。



居住用賃貸物件:住宅の貸付は、原則課税されません。

事業用賃貸物件:事務所の賃貸借など事業として有償で行われる貸付は消費税の課税対象となります。



消費税の課税売上高が1,000万円を超えた場合には、税務署に「消費税課税事業者届出書」を提出しなければなりません。消費税が課税されるのは翌々年からですが、1~6月まで(特定期間)の間に課税売上高が1,000万円を超えた場合には、翌年から課税業者となります。課税売上高が1,000万円を超えるときには、事前に税務署に相談しましょう。



・個人事業税がかかる場合

家賃などの不動産収入から必要経費を控除して不動産所得を計算します。不動産所得が290万円を超え、賃貸収入や管理費収入 、貸付不動産の規模を考慮して不動産貸付業と認定された場合に、課税されることになります。



法人として家賃収入を得ている場合の税金

法人にかかる主な税金を紹介します。



・法人税

法人の所得に対して課税される税金で、県税事務所・都税事務所に納付します。税金にもかかわらず経費に計上できるのが特徴です。税率は、都道府県ごとに異なり、法人の種類や事業開始年度によっても異なります。



・法人事業税

法人の所得に対して課税される税金で、県税事務所・都税事務所に納付します。税金にもかかわらず経費に計上できるのが特徴です。税率は、都道府県ごとに異なり、法人の種類や事業開始年度によっても異なります。



・法人住民税 

個人でいう住民税にあたり、法人税額に応じて課税される「法人税割」と資本金や従業員人数規模に応じて課税される「均等割」があります。法人税割は、法人税がなければ課税されませんが、均等割は利益がなくても課税されるため注意が必要です。県税事務所・都税事務所・区役所・市役所にそれぞれ納付をしますが、東京都の23区はまとめて都税事務所に納付します。



不動産収入と不動産所得の違い

不動産収入と不動産所得

所得税を計算する前に、不動産収入と不動産所得の意味の違い正確に理解しましょう。



・不動産収入

不動産収入とは、家賃、管理費、礼金など不動産の貸付から発生する総収入金額のことです。所得税法では、事業収入ではなく不動産収入として分類されています。以下の金額も総収入額に含まれるので、注意しましょう。



1. 名義書換料・承諾料・更新料・頭金などの名目で受け取るもの

2. 敷金や保証金で返金しない部分

3. 共益費などの名目で受け取るもの(電気代・水道代・掃除代など)



・不動産所得

不動産所得とは、不動産収入から固定資産税、火災保険料、減価償却費、不動産を購入するために要した借入金の利子など、必要経費を控除した金額です。不動産所得は、その不動産の貸付が事業であるかないかによって、の計上の方法が異なります。国税庁の判断基準は以下の通りです。



1. 貸間、アパートなどは、貸与できる室数がおおむね10室以上

2. 独立家屋の貸し付けは、おおむね5棟以上



事業として行われている場合と、それ以外では以下の違いがあります。

1. 取壊・除却などの資産損失は、事業として行われている場合は全額必要経費に算入

それ以外の場合は、資産損失を差し引く前の不動産所得額を限度として必要経費に算入

2. 回収不能の家賃の貸倒損失は、事業の場合は回収不能となった年分の必要経費に算入

それ以外の場合、収入に計上した年分まで遡って、回収不能の家賃がなかったものとして所得金額を計算

3. 青色申告の事業専従者給与や白色申告の事業専従者控除は、不動産貸付けが事業である場合のみ適用

4. 青色申告特別控除は、不動産貸付けが事業である場合は、最高65万円の控除の適用があるが、それ以外の場合は最高10万円



賃貸経営による収入

賃貸経営を行うことで得られる具体的な収入の種類を紹介します。



・家賃

居住用・事業用により消費税の取り扱いが異なります。



・礼金

入居するときに、入居者がオーナーに支払う料金・謝金で、一般的な相場は賃料の1~2ヵ月程度です。



・共益費

賃借人が共同で利用する設備や施設を維持するための費用です。共用部分の電気代や水道代、エレベーターの電気代などがあります。



・更新料

賃貸の契約期間が満了し、更新するときに賃借人が支払う料金・事務更新手数料。一般的な相場は、賃料の1~2ヵ月程度です。



・駐車場利用料

駐車場付きの住宅として家賃に含まれることもあれば、別途利用料を支払うことがあります。



携帯電話などのアンテナ基地設置料金

携帯電話会社などから、アンテナ基地の設置を依頼されることがあります。事業として消費税の課税対象となり、営業外収入です。



・自販機の設置による収入

人通りのある道路に面しているなど条件によっては検討しましょう。事業として消費税の対象になり、営業外収入となります。



経費として計上できるもの

賃貸経営に必要なものであれば経費として計上することができます。すべて対象の不動産に関連した費用のみが経費計上可能です。

・租税公課(物件の固定資産税・都市計画税、不動産取得税・登録免許税、事業税、印紙税)

・支払保険料(火災保険、地震保険、賃貸住宅費用補償保険など)

・減価償却費

・修繕費

・借入金の利息

・管理会社や不動産会社に支払う管理費・修繕積立金

・広告宣伝費

・通信費

・物件の共用部分の水道光熱費

・物件の清掃や見回りのための交通費

・管理会社や修繕をする会社との打ち合わせに必要な費用や接待費

・新聞図書費

・消耗品費その他

・税理士・司法書士などへの報酬や顧問料



家賃収入の所得税を計算する方法

家賃収入がある場合の所得税の計算方法を、順を追って解説します。

計算方法

①不動産所得を計算する

【計算式】

不動産所得=家賃収入(賃貸経営で得られる総収入額)-必要経費

賃貸経営で得られる総収入から必要経費を控除した金額が不動産所得です。青色申告の方は、青色申告特別控除額も控除します。

②課税所得を計算する

サラリーマンの方は、不動産所得と給与所得と合算して所得金額の合計額を算出することが必要です。その後、各種所得控除の合計金額を控除して課税所得を計算します。

【計算式】

課税所得=所得金額の合計-各種所得控除

総合課税となる所得を合算して、所得金額の合計を計算します。



【総合課税となる所得】

・事業所得(営業等・農業)

・不動産所得

・利子所得(国外で支払われる預金等の利子)

・配当所得(申告分離課税を選択した者を除く)

・給与所得

・雑所得

・一時所得

・譲渡所得(ゴルフ会員権や金地金など)



③所得税額を計算する

課税所得金額を計算したら、課税所得の金額に応じた税率を乗じて、課税控除額をその金額から控除します。

・不動産所得

【計算式】

所得税額=課税所得×税率-課税控除額

国税庁のホームページ にある税率と課税控除額の速算表を活用しましょう。



所得税を計算する際に控除されるもの

所得控除には、以下のようなものがあります。



・社会保険料控除

・小規模企業共済等掛金控除

・生命保険料控除

・地震保険料控除

・寡婦、寡夫、勤労学生、障害者控除

・配偶者(特別配偶者)控除

・扶養控除

・基礎控除

・雑損控除、医療費控除、寄付金控除



家賃収入には確定申告が必要

家賃収入は、不動産所得に該当するので確定申告が必要です。特に、サラリーマンでアパート経営を始めたばかりの方は、多額の減価償却費を計上するので不動産所得が赤字となり、会社で源泉徴収された所得税の一部が還付される場合があります。



申告時期

確定申告は、毎年1月1日~12月31日までに発生した所得を翌年2月15日~3月15日まで(2020年は4月16日までに延期)に行います。帳簿や決算書を整備して、青色申告で確定申告ができるように税務署で相談しましょう。

なお、源泉徴収された税金や予定納税をした税金で、正しく計算すると所得税が納め過ぎになっている場合には、還付申告により税金が還付されます。還付申告は翌年1月1日から行うことが可能です。もし還付申告を忘れてしまっても、5年間は遡って申告することができます。



必要書類

確定申告に必要な書類を 事前にチェックして、しっかりと準備しましょう。

・マイナンバーカードの写し(通知カードの場合は、別途本人確認書類の写しが必要)

・確定申告書

・源泉徴収票(給与収入があった場合)

・青色申告決算書(白色申告の場合は収支内訳書)

・各種控除関係の書類

  社会保険料控除:国民年金保険料、国民年金基金の掛金については控除証明書

  小規模企業共済掛金控除:掛金額の証明書

  生命保険料控除:支払額の証明書

  地震保険料控除:支払額の証明書

  勤労学生控除:学校などから交付される証明書

  雑損控除:災害等に関連して支出した領収書

  医療費控除:医療費控除の明細書、医療費通知(医療費のお知らせ)など

  寄付金控除:寄付した団体の受領証、証明書や認定証の写しなど

その他、住宅借入金等特別控除ほか税額控除に必要な書類が必要になります。詳しくは、国税庁のページ から確認してください。



確定申告書類の提出方法

確定申告の提出方法には3種類があります。



 1. e-Taxで申告する(添付書類の提出を省略することができます)

 2. 郵送により住所地の所轄税務署へ提出する

 3. 住所地の所轄税務署に持参する



家賃収入をはじめ不動産にかかわる税金など、面倒なことはお任せしよう

アパート経営による収益は不動産所得に該当するため確定申告をしなければなりません。しかし、「計算の方法がわからない」「計上する項目がわからない」など、悩んでいる方も多いでしょう。税理士に相談したい場合には、混雑しない申告時期の前に行くのがおすすめです。

不動産にかかわる税金や登記など、複雑で面倒なことはぜひ、シノケンにお任せください。




加治 直樹(かじ・なおき)

◆氏名

加治 直樹(かじ・なおき)

◆保有資格

1級FP技能士

社会保険労務士

◆主なキャリア

銀行に20年以上勤務し、融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士及び特定社会保険労務士を取得し、退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能で、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。

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